私の演奏会デビューは、チェロを始めて2年目の秋の「ドボルザーク8番」でした。
この時はすまし顔でチェロを構えていましたが、実は16分音符の連続にあたふたし、
突然出てくるハ音記号に目を白黒させ、ほとんど弾けないうちに曲は過ぎていきました。
それでも2回目の演奏会では、なんと「ブラームス1番」を演奏させていただくことに。
しかし思いっきり高音域で始まる出だしは、最後まで不安定な音程でしか弾けず、
しかもチェロのめちゃくちゃ目立つフレーズには体が一瞬にして冷たくなって
動けない状態になったことを覚えています。
少しは余裕もでてきたかと思われる3回目の演奏会では「ベートーベン3番」。
3楽章の高速の3拍子にはしょっちゅう落ちこぼれてしまい、
あーあ 今どこ?状態になって、置いてきぼりにあいました。
さてそうこうするうちに4回目はあこがれの「ベートーベン9番」を。
常々、楽団の中では皆さんを低音で支えるべき縁の下の役目が多いチェロが、
4楽章では勇敢にも堂々と前面に繰り出し、
ああチェロをやっていてよかったと、しみじみ実感したものでした。
回を重ねても技術の向上はいまいちですが、
うーん やっぱりオケは楽しいなぁ。